10年ほど前に市民ミュージカルのスタッフをしていた事がある。当時出演していた学生も成長し教師になるとの事で色々話しをていたら、教師には残業の上限が無いので…と言っていた。折しも働き方改革で我が社も労働環境を整えている最中である。そんなバカな?と思い調べてみたらどうやら本当のようだ…

キーワードは給特法。
給特法とは
給特法とは1971年に成立した公立学校教員の給与等に関する特別措置法の事を指す。教員は給与+4%の「教員調整額」を受け取る事で時間の区切りなく働くことができる。何時間働いても時間外手当は付かないのだ。
法整備の背景
法律が成立した1971年当時、教員は勤務の特殊性から時間で仕事が区切れる職ではなかった。このため時間区切りで残業代を計算するのではなく、基本給+4%を払うことで時間に束縛されない賃金体系となったそうだ。当時は平均残業が8時間程度だったためこの4%という数字には一定の整合性があり、残業がなくても支給されるため比較的無理のない法律だったそうだ。

残業しなくても残業代もらえる!ラッキーって時代だったみたいだ。
現状との整合性
現状では教員の約57%が過労死ラインの月100時間の時間外労働をしているそうだ。中学校教員にいたっては8割の教員が月100時間以上の労働をしているとの事。にも関わらず時間外の手当は平均残業8時間の時代に決められた基本給+4%のままになっている。実態にそぐわず明らかに異常だ…
一般的な企業の基準
一般的な企業の基準は以下の通りだ。
- 勤務時間週40時間
- 残業は月45時間以内
- 労働者と協定を結べば繁忙期は6ケ月限定で月80時間まで伸ばせる。その場合の手当は通常残業より割り増し。
- 有給休暇はMaxで20日、パートやアルバイトにも設定しなければならない。
- 2019年4月以降は最低5日の有給休暇を消化しなければいけない。
これは基本の基本で全ての企業が守らなければいけない。

中小企業経営にはこれ結構きついのよ…
今後はどうなるのか?
当然現状と見合っていないとの事で改正に向けた運動はあるそうだ。教師が県を相手取って訴訟をするなど現場からの動きも出てきている。ただもしこの法律がなくなった場合、教員に支給する給与は兆単位となり予算的に補填ができず、予算面からみても直ちに改正される様子は無いそうだ。
まとめ
教師は人を育てる聖職だ。時間やお金の問題では無いという志を持った人もいるとは思う。冒頭で話をした教師になるという子が言うには、教職に夢を描いて教師になった人ほど理想と現実に挟まれて退職してしまうそうだ。むしろひとつの職業として割り切って教師をする人の方が長持ちするそうだ…
理想と現実のギャップは教師に限った事ではないが、夢を持って職に就いた人が不可解な法によって打ちのめされるのはいたたまれない…これは個人の努力ではどうにもならない。
私は基本的にはバブルで良い思いをした世代が口にする幸福度という隠れみのを使ってやりがいを押し付ける労働論を好まない。教育は労働では無いという意見もあるのかもしれないけれど、やはり働いた報酬はしっかりと与え、また得るべきだと思う。
これから社会にでる若者が過酷な労働条件を気にしながら世に出るなんて…そんな社会で良いんだろうか…またその実態を知らなかった自分も恥ずかしい。教員に対するこの待遇が改善されることを願うばかりだ…

※注意:この記事はNetでチラ見した浅い知識を元に書かれた雑記です。温い目でみてください…興味を持たれた方はご自身で詳しく調べてみてください。


